「現実」と綱引きをしない
2冊紹介します。
1つは水島広子という精神科医の方の本です。もう1つは、下園壮太という元自衛隊のメンタル教官の方の本です。
水島さんの本は、カウンセラーの語りかけのようで、理屈は少なめでした。男性より女性向けかもしれません。
下園さんの本は、男性向けという印象を受けました。
水島さんの本は、「今」に集中することが、周囲の人や仕事に振り回されない生き方につながるというお話。最も印象的だったのが、タイトルにも書いた「現実」と綱引きをしない、という文章です。
つい、「気にしすぎ」てしまう人へ―――こころの荷物をそっと降ろす本 (王様文庫)
- 作者: 水島広子
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2018/07/30
- メディア: Kindle版
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現実をありのままに受け止めて、「評価」をしないようにしましょう。ということです。「評価」というのは、良い悪いだけでなく、「こうであったらいいのに」「あのときこうしておけば、、」といった、現実に対する思い、希望も含みます。なぜなら、それらは現実を否定する考えだからです。
現実を変えようとすること=綱引きということです。しかし、現実は現実で変わりません。
これは、ついやってしまいがちですが非常につらいです。現実を変えられるものと思っていると、変えられないのは自分の努力が足りないからだ、と自分を責めてしまう恐れがあるからです。そうなると、自己肯定感が下がります。
なぜ現実を帰られると思ってしまうかというと、これは下園さんからになりますが、子供のころは成長するにしたがって、今までできなかったことがどんどんできるようになります。そのため、あたかも現実を変えられたかのように錯覚してしまうからです。
子供のころはある課題に対して、一人でやる、全部やる、最後までやる、ということをやって、そして達成可能でした。また、子供の場合、それらを達成すると大人から褒めてもらえるという、ご褒美つきでした。
このやり方を大人になっても変えられない場合、上記のような現実との綱引きに陥ってしまいがちです。
人間は、これまでやってきたやり方を、特にそれで上手くいった経験があるやり方を変更する、というのには抵抗を感じる生き物です。そういう仕様になっています。私もそうでした。
この本で紹介されていて、なるほど、と思った言葉は「変更ではなく追加と考える」です。
子供のころの体験に基づくやり方を、変える・変更するのではなく、そのやり方の上に、新しいやり方・考え方を追加する、というのは心理的にも抵抗なく受け入れらます。
仕事や人間関係で疲れた方におすすめに2冊です。
自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書)
- 作者: 下園壮太
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/02/13
- メディア: 新書
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